「日本のウユニ塩湖」と呼ばれ、
絶景スポットとして知られる父母ヶ浜は、
なぜその美しさを保ってこられたのか?
漂流ゴミがないわけではない。
海岸を清掃し、
守り続けて来てくれた
先人の存在があってのことだ。
「ちちぶの会」は1994年、
地元の有志7人が集い発足。
当時は地方活性化策として、
製造工場の誘致合戦が行われ
父母ヶ浜も例外ではなかった。
業者も決まる中、
「表立った反対運動」ではなく
「ささやかな抵抗」として、
海岸の清掃を開始した。
“埋め立ての話が出たとき、
『この美しい海と海岸を守りたい』
『何か事を起こさねば』
と思って始めたんが海岸の掃除なんや。
一度埋め立ててしまったら、
もう二度と元の姿には戻れんから。
魚も取れなくなる。
われわれの思いはこうなのだ
と強い意思を持って始めたんや。“
“当時の父母ヶ浜は、一面、
ゴミの山やったけぇ。
なんぼやっても片付かん。
1人協力してくれる人が増えただけでも
えらい嬉しかったなぁ。
それが10人、20人と増え、
20年かかってようやく
今のきれいな姿になった。“
“きれいな海をみんなに見てもろたら、
理解してくれるやろという一心だった。
そしたら、バブル崩壊もあって、
計画がとん挫して。
掃除したことで結果が残ったんや
と思うとんや。
『奇跡』が起きた。”
“埋め立てたら雇用や
お金を生むといわれたけど、
こんなきれいな景色は
何千億円あったって作れないもの。
お金を超える価値がある。
こういった問題は未来にも必ず起きる。
ここの良さを引き継ぐ人、
この戦いの歴史や想いを受け継ぐ人を
育成していかんとな。
そして、
お金よりも価値があるものがあることを
ここから全国に発信してほしい。”
地元の想いによって
守られてきた浜の景色は今、
多くの人を魅了している。
絶景と呼ばれる夕陽はもちろんのこと、
父母ヶ浜や周辺の街には、
ゆったりとした時の流れや笑顔に出会える
様々な景色がある。
父母ヶ浜の自然、街、人。
昔からの風土が息づく場所だからこそ
「どこかの誰かの日常」を体感できる
贅沢な時間がある。
“南国のビーチリゾート”
のような華やかさはない。
或るのは、
“父母ヶ浜とともに
暮らしてきた人たちの日常。”
三豊の人に愛される旬の食を味わい、
守り継がれている景色を眺め、
地元の人たちと言葉を交わす。
そんな”普通の一日” を味わえば
きっと、新たな気づきや想像力が生まれる
豊かな時間を過ごせる。
「父母ヶ浜が持つ価値」の可能性を
引き出し、
次世代にタスキを引き継ぐ役割を
果たしたい。
未来に向けた新たなチャレンジです。
「海岸を中心とした美しい自然の継承」、
「訪問者への“豊かな日常”体験の提供」、
「持続可能な地域の発展」
を実現するために。
私たち父母ヶ浜ポート事務局は、
三豊の魅力を発信し、様々な人が交流する
プラットホームとして
2019年夏、「父母ヶ浜ヴィレッジ」を
スタートさせました。
持続可能性の重要性が高まる今、
私たちは父母ヶ浜ヴィレッジを
「世界一サステイナブルな商店街」
として、
次世代につないでいきたいと考えます。
海岸を守り続けてきた
地元の思いを引き継ぎ、
ビーチクリーンや、アート制作など、
海洋問題への啓発にも取り組みます。
そして日本はもとより、
世界中から
サスティナブルツーリズムに
訪れられるエリアを目指します。
〒769-1404 香川県三豊市仁尾町仁尾乙203-3
TEL 070-2272-7061
11:00〜18:00 無休
※荒天時は臨時休業あり