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2022.6.10

連載:仁尾のひと
「またなんかやってるのか〜(笑)」と言われ続ける  住職でありたい。

父母ヶ浜から自転車で10分ほど漕ぎ、「仁尾跡」と書かれた石の先にある長い階段を登ると到着するのが、仁尾町に代々続くお寺「覚城院」。覚城院をさらに登ると父母ヶ浜の海を一望できる丘が広がっている。この丘は春になると桜が咲き誇る名所だ。
お寺の住職の枠を飛び出して色んな挑戦をしているのが、住職の森大圓さんだ。

実は、修行に行く1週間前まで東京で赤髪でミュージシャンを目指していました(笑)

今だから言えることなのですが、実は子供の頃は住職になりたくなかったんです。(笑)坊主にするのが嫌だったし死んだ人と向き合うのは怖くて、住職にならないですむ方法を考えていました。高校卒業後は東京に行き、ミュージシャンになろうと思ったんですよね。住職になろうと決心したのは、25歳の時でした。ミュージシャンとして生きていくことは難しいと考え、京都のお寺で住職になるための修行を始めました。「三日坊主」という四字熟語の通り、修行が厳しすぎて辞めていく仲間も多かったですが、無事に一年間の修行を終え、仁尾町に戻ってきました。お寺の住職は世間的には厳かなイメージがあると思いますが、僕は割と人間くさい人生を歩んできたと思っています。

住職の自分ができることとして、
関わった人が幸せになってほしいと思っています。

住職の仕事内容は「お経を唱えること」と思われがちですが、お庭の掃除や訪れた方との交流など多岐に渡ります。覚城院は古くから仁尾町にあるため、お葬式やお墓参りなどを通して仁尾町に住んでいる方々と、家族代々関わらせていただくことがあります。長年、親戚のように親しくさせていただいていた方が亡くなられたときは悲しいですが、もっと悲しい思いをされているご遺族の方々へ仏様のお言葉を伝える役割や、気軽に話に来れる場所でありたいと思っています。お寺は匿名で相談もできる場所だと思っていて、たまに電話で匿名で人生相談をいただくこともあります。亡くなられた方が安らかに眠れるように祈るのはもちろん、生きている方も含めて、会話を通じて少しでも心が安らぐお手伝いができたらと思っています。

これからの時代の、お寺の役割ってなんだろう?

昔に比べてお葬式の形にこだわらない方も増えてきており、人々が集まる場所も多様化しています。今のお寺に求められている仕事内容も、数十年後には変わっているかもしれません。ですがどんな時代になっても「心安らぐ、会話の場を作ること」はお寺の役割として変わらないのではないか、と思っています。お寺にこどもたちが宿題をしに来たり漫画を読みにきたり、近所のおじいちゃんおばあちゃんから生きる知恵を教えてもらったり。顔と顔を付き合わせて、ふと心が安らぐような、笑顔溢れる輪が将来的に広がるといいなと考えています。これからも挑戦と失敗を繰り返しながら、これからのお寺の在り方を模索していきたいと思います。

編集後記
大圓さんは許されちゃう方だなぁと感じた。新しいことに挑戦しても「またなんかやってるのか〜、まぁ大圓だからしゃあないな(笑)」と地元のおじいちゃんやお兄ちゃんからも応援される大圓さん。代々続く住職の仕事に真剣に取り組んでいるからこそ、周りの人たちは失敗や挑戦を寛容に受け入れ、応援しようと思うのかもしれない。これからのお寺の在り方として、大圓さんが居る覚城院でどんな輪が生まれていくのか、応援したくなる存在だ。
覚城院:香川県三豊市仁尾町仁尾丁845

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